コラム

親知らずと神経の関係を徹底解説!麻痺リスクを防ぐ方法

親知らずと神経の関係を徹底解説!麻痺リスクを防ぐ方法

目次

 

埼玉・和光市駅前キュア歯科・矯正歯科です。
親知らずを抜く際に神経のことが気になったことはありませんか?
特に下顎の親知らずは、神経に近いため抜歯時のリスクが伴います。
親知らずと神経の関係は、歯科治療の中でも慎重な判断が求められる分野です。
今回は、親知らずと神経の関係、抜歯時のリスク、そして麻痺を防ぐ方法について詳しく解説します。
この情報を知ることで、不安を解消し、安全に抜歯を進めるための知識が得られるでしょう。
抜歯に伴う神経の影響を理解し、安心して治療を受けられる準備をしましょう。

 

『親知らずと神経の関係とは?』

下歯槽神経の画像

親知らずは、通常最後に生える永久歯であり、第三大臼歯と呼ばれる歯です。
この親知らずは、上顎と下顎の左右に1本ずつ、計4本ある場合が一般的ですが、すべての人に完全に生えるわけではありません。
特に下顎の親知らずは、骨の中を走行する「下歯槽神経」に非常に近い位置に生えることが多く、抜歯の際に神経への影響が懸念されます。

下歯槽神経は、顎の骨の中にある下顎管というトンネル状の空間を通り、下顎の歯、唇、顎の感覚を司る重要な神経です。
この神経は親知らずの根の先端付近を通過するため、親知らずが正しい位置で正常に生えていない場合、抜歯時に神経が損傷するリスクが高まります。
親知らずの根が神経と接触している、または根が神経を囲っているケースでは、より慎重な処置が必要です。

親知らずと神経が接触しているかどうかは、通常のレントゲンでは限界があるため、CTスキャンによる三次元的な画像診断が重要になります。
この検査により、親知らずと神経の位置関係を正確に把握し、抜歯計画を立てることが可能です。
また、親知らずの形状や生え方、歯根の本数や曲がり具合も確認することで、リスクを軽減する治療方針を組み立てることができます。

親知らずが神経に近接している場合でも、歯科医師の適切な処置により、安全に抜歯が行えるケースが増えています。
こうした背景を踏まえると、親知らずの抜歯を検討する際は、事前に神経の状態やリスクをしっかり確認し、信頼できる歯科医院で治療を進めることが大切です。

 

『親知らずを抜く際の神経麻痺リスク』

神経麻痺リスク

親知らず抜歯時のリスクの一つに、神経麻痺があります。
特に下顎の親知らずは、神経と接触している場合があり、以下のようなリスクが考えられます。

  • ・直接的な損傷:親知らずの根が神経に接触している場合、抜歯の際に神経を傷つける可能性があります。
  • ・圧迫による影響:抜歯時に力を加えすぎたり、不適切な角度で歯を引き抜いたりすることで、神経が圧迫される場合があります。
  • ・歯根の形状や位置:親知らずの根が曲がっていたり、複数の根が神経を取り囲んでいる場合、抜歯が難航し、神経への負担が大きくなることがあります。
  • ・埋伏歯の場合:骨の中に完全に埋まっている親知らず(埋伏歯)の抜歯では、歯を割る必要が生じることが多く、その際に神経が損傷するリスクが高まります。

 

実際、神経麻痺が発生する確率は0.4~5.5%とされていますが、症状が半年以上残るケースは約0.05%と非常に低い割合です。
しかし、万が一麻痺が発生した場合、その影響は患者の生活の質に大きな影響を与える可能性があるため、リスク管理が非常に重要です。

抜歯計画を立てる際には、親知らずと神経の距離を確認し、必要に応じて「歯冠除去術」や「抜歯2回法」など神経を保護するための手法を用いることが推奨されます。
また、麻痺の発生リスクを正確に患者に伝えることも、歯科医師の責任として求められます。

 

『神経麻痺の症状と原因』

親知らず抜歯後に神経麻痺が発生した場合、次のような症状が現れることがあります。

  • ・唇や顎のしびれ感:触った感覚が鈍くなったり、しびれが持続することがあります。
  • ・感覚の異常:唇や顎の感覚が過敏になり、軽い刺激でも不快感や痛みを感じる場合があります。
  • ・話しにくさや食事のしづらさ:顎や唇の麻痺により、話すことや食べ物を噛むことが難しくなるケースもあります。
  • ・冷感や温感の異常:冷たいものや熱いものを口にしたときに、痛みや違和感が増すことがあります。
  • ・顔の表情の変化:麻痺が長引くと、表情筋が硬くなり、顔の一部がこわばる場合があります。

神経麻痺の主な原因は、抜歯時に神経が損傷することにあります。
特に以下の場合、リスクが高まります。

  • ・親知らずが神経と接触している場合
  • ・歯根が深く埋まっている場合
  • ・治療計画が不十分な場合
  • ・不適切な手技による影響

 

麻痺が発生した場合でも、早期に適切な治療を行えば、多くのケースで回復が期待できます。
発症後の対応として、薬物療法やレーザー治療、鍼灸治療などの選択肢があるため、速やかに歯科医師に相談することが重要です。

 

『神経麻痺を防ぐための治療法と対策』

親知らず抜歯後の神経麻痺を防ぐためには、抜歯前の正確な診断と適切な治療計画が非常に重要です。
また、技術と歯科医師の熟練度も大きく影響します。以下では、神経麻痺を防ぐための具体的な方法と対策を解説します。

  • 1. CTスキャンによる事前診査
    一般的なレントゲンだけでは、親知らずと下歯槽神経の正確な位置関係を把握するのは難しい場合があります。
    CTスキャンを用いることで、親知らずの埋まり具合や歯根の形状、神経との距離を立体的に確認することが可能です。
    これにより、抜歯計画を詳細に立てることができ、神経損傷のリスクを最小限に抑えることができます。

 

  • 2. 「歯冠除去術」や「抜歯2回法」の活用
    神経に非常に近い親知らずの場合、一般的な抜歯方法ではリスクが高くなるため、特殊な方法が選択されることがあります。

    • ・歯冠除去術: 親知らずの歯冠部分のみを抜き取り、歯根は神経を傷つけないようそのまま残します。
      これにより、神経への影響を最小限に抑えることができます。
    • ・抜歯2回法: 親知らずを2回に分けて抜歯します。1回目で歯冠部分を取り除き、歯根が神経から離れるのを待ってから2回目で抜歯する方法です。
      時間はかかりますが、安全性が非常に高い治療法です。

 

  • 3. 熟練した歯科医師の選択
    経験豊富な歯科医師は、親知らずの抜歯において最適な方法を選択し、処置を行います。
    また、万が一麻痺が発生した場合の対処法にも熟知しているため、患者にとって安心感があります。歯科医師の選択は、リスクを回避するために非常に重要です。

 

  • 4. 患者ができる予防策
    抜歯後のケアも神経麻痺を防ぐためには欠かせません。

    • ・強いうがいを避け、傷口に負担をかけないようにする。
    • ・抜歯後の腫れや痛みが続く場合、早めに歯科医師に相談する。
    • ・処方された薬を正しい量とタイミングで服用する。
    • ・生活習慣を見直し、喫煙や飲酒を控えることで治癒力を高める。

神経麻痺のリスクを抑えるためには、患者自身の意識も重要です。治療前後に歯科医師からのアドバイスをしっかり守るようにしましょう。

 

『神経麻痺が発生した場合の治療法』

親知らず抜歯後に神経麻痺が発生した場合でも、適切な治療を早期に受けることで、多くのケースで改善が期待できます。
神経麻痺の治療法には以下のような選択肢があります。

  • 1. 星状神経節ブロック療法
    頚部にある星状神経節に局所麻酔を施し、交感神経の活動を一時的に抑える治療法です。
    これにより、血流が改善し、神経の自然治癒力を高めます。この治療法は痛みの軽減や感覚回復に効果があり、保険適用が可能なため、広く利用されています。

 

  • 2. 低出力レーザー治療
    レーザーを神経麻痺が発生している部位に照射し、血流改善や炎症軽減を促進する治療法です。
    この治療は、非侵襲的で患者の負担が少なく、神経修復を助ける効果が期待されます。

 

  • 3. 薬物療法
    神経の回復を促進するため、ビタミンB12やATP製剤などが処方されます。また、痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤やステロイド剤が併用されることもあります。

 

  • 4. 理学療法や鍼灸治療
    鍼灸治療は、特定のツボを刺激することで血流を改善し、神経修復を促進します。また、マッサージや温熱療法などの理学療法も、痛みの軽減や神経機能の回復に寄与します。

 

  • 5. 外科的治療
    非常にまれなケースではありますが、神経麻痺が長期間改善しない場合、外科的治療が選択肢となることもあります。
    外科的治療はリスクが伴うため、専門医と十分に相談したうえで決定されます。

 

神経麻痺が発生した場合、早期の対応が重要です。抜歯後に違和感が続く場合は、放置せずにすぐに歯科医院を受診することをおすすめします。

 

『親知らず抜歯後のケアと注意点』

抜歯後の適切なケアは、神経麻痺を防ぎ、スムーズな回復を促すために非常に重要です。
以下に、抜歯後に注意すべきポイントを整理しました。

  • 1. 抜歯直後の対応
    ・止血のため、清潔なガーゼを噛み、1時間程度しっかり圧迫します。
    ・強いうがいや舌で傷口を触る行為は避けましょう。
     これにより血餅が失われ、治癒が遅れる可能性があります。

 

  • 2. 痛みや腫れへの対処
    ・痛みが強い場合は、処方された鎮痛剤を指示通りに服用してください。
    ・腫れを抑えるため、患部を冷やすことも効果的です。
     ただし、直接冷やさず、タオルを巻いた保冷材を使用してください。

 

  • 3. 食事と飲み物の注意
    ・抜歯当日は、刺激の少ない冷たい飲み物や柔らかい食事を心がけましょう。
    ・アルコールや喫煙は控えるようにしてください。
     これらは血流を妨げ、治癒を遅らせる可能性があります。

 

  • 4. 定期的な受診
    抜歯後1週間以内に歯科医院で経過を確認してもらいましょう。
    特に、麻痺や違和感がある場合は早めに相談してください。

抜歯後のセルフケアは、回復を左右する大切な要素です。歯科医師の指導を守り、丁寧にケアを行いましょう。

 

『まとめ』

親知らずの抜歯は、神経麻痺などのリスクを伴うことがありますが、適切な事前診査や熟練した歯科医師による治療、患者自身のケアによりリスクを大幅に軽減することが可能です。
特に、CTスキャンによる診断や特殊な抜歯方法の選択は、神経麻痺の予防に非常に有効です。

また、万が一麻痺が発生した場合でも、早期の対応と適切な治療により、症状の改善が期待できます。
患者自身もリスクを正しく理解し、治療計画や術後ケアに積極的に取り組むことが、安心して治療を受けるための第一歩です。

 

自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
少しでもお役に立てれば幸いです。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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